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Yes, We are Paddle Freaks! |
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| パドルフリークス・ラボラトリー 或いは インフレータブルカヤック研究室 | |||||||||||||||||||||||||||||
| あなたにとって理想のインフレータブルカヤック(カヌー)はどれなのか? インフレータブルカヤックのデザインに迫ります! コレを知ったらカタログを眺めることがますます好きになる!? パドルフリークス流「カヤックのカタログを10倍楽しく見る方法」です! | |||||||||||||||||||||||||||||
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インフレータブルカヤックと一口で言っても、実に様々なタイプがあります。 インターネットで検索できる様々なカヤックを眺めながらこのカヤックはどんな乗り心地だろうか? こちらのカヤックは自分の乗り方には合わないなぁ、などと想像するのもなかなか楽しい時間です。 しかしこれからカヌー・カヤックをはじめようと考えていらっしゃる方にとっては、その種類の多さがかえって悩みの種になる場合もあるかと思います。 カヌー・カヤックの教本は本屋さんに行けば手に取ることができるかと思いますが、ここではパドルフリークス流のインフレータブルカヤック・デザイン論(大袈裟で恐縮です)を紹介しようと思います。 もちろんインフレータブル以外のカヤックにも流用できる考え方ですので、ご興味のある方はお楽しみください。 あなた自身の視点でカタログスペックの比較が出来るようになるはずです。 あなたのカヤック選びの悩みの種がますます増えることを期待しています(笑、失礼!)。 ■■■ 1.平面計画(1);細長比で考えよう カヤックの形状について、平面的な視点からよく言われることが「長さと幅」の関係です。 曰く、「艇長・艇幅がそれぞれ、長く狭いほど直進性が高く、短く広いほど回転性が高い」と。 実際その通りなのですが、現実には艇の長さと幅の関係は一体の物なので、ここでは「艇長÷艇幅=細長比」と言う考え方を提唱し、その有効性を確認していきたいと思います。 細長比は艇幅に対する艇長の割合で、その値が大きいほど直進性が高いことの指標となります。 細長比を使ってカヤックの特徴を掴むことで、そのカヤックの大雑把な性格を掴むことが出来ます。 現在(2007.02)国内外で販売されているインフレータブルカヤック・カヌーの内、64艇の平均細長比を求めた結果「4.54」という値を得ることが出来ました(市場の全てのインフレータブルカヤックを調べたわけではありません)。 つまり市場のインフレータブルカヤック・カヌーの細長比4.54が平均的な直進性能を表す指数と仮定し、それ以上なら「直進性>回転性」とそれ以下なら逆に「直進性<回転性」とイメージすることが出来ます。 *平均細長比を求めるために利用したインフレータブルカヤックのリストはこちら。 1人艇と2人艇以上のカヤックを同じ計算式で求めることに違和感を感じる方もいるかと思いますが、インフレータブルカヤックの性質上、他のタイプのカヤックに比べて2人艇、もしくは3人艇を一人で漕ぐ可能性も多いと思われることから、同一式によって共通の細長比を求めることとしました。 ちなみに上記平均細長比を求める際にサンプリングしたインフレータブルカヤックの平均的な艇長は389.31cm、艇幅は85.67cmでした。
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右の図を見ていただきたいのですが、この図はグラブナー社の「ソロA1」と「ホリデー2」を例にして図式化したものです。 上がソロA1、下がホリデー2を意味しています。 2艇のカタログ値による比較では、艇の「幅」はソロA1が80cm、ホリデー2が75cmと、それだけでは若干ソロA1の方が幅が広いだけのように思えるのですが、長さはそれぞれ310cmと395cmなので、前述の細長比を適用すると、 「ソロA1の細長比=310÷80=3.87」 「ホリデー2の細長比=395÷75=5.26」 とまったく別の印象となって現れます。 前述の平均細長比4.54との比較で考えても、ソロA1は回転性能が勝り、ホリデー2は直進性が勝っていることがわかります。 つまり、当前のことですが艇の長さや幅はそれぞれ別個の存在としてあるのではなく、相対的な関係の中で直進性や回転性に影響しており、この細長比の値が平面計画上の直進性能を暫定的に示しているということになります。 カタログを見て単純にそれぞれの長さや幅を比較するのではなくて、長さと幅の関係(細長比)を読み取ることがカヤックの特徴をより深く理解する上で重要だと言うことがご理解いただけたと思います。 |
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■■■ 参考までにグラブナー社の他の幾つかのカヤック・カヌーの細長比も一緒に並べてみます(下表)。 細長比にすると非常に面白いことが分かります。 前述の平均細長比=4.54を考慮の上、見比べてみてください。 |
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ソロA1は一人乗りのダウンリバータイプだけあって、細長比が最も小さく、したがって最も回転性能に優れていることになります。
アミーゴはソロA1に準じる2人艇。 ホリデー2には劣りますが、ラフトタイプ(ダウンリバーモデル)のアウトサイドよりは直進性が高いことが分かります。 アウトサイドはホワイトウォーターモデルですから、2人乗りの中では最も細長比が小さい値となっています(=回転性能重視)。 |
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カナディアンカヌータイプのアドベンチャーはアミーゴとホリデー2の中間値で、ダウンリバーにも適したカヌーだと分かりますし、シーカヤックに近い形状のディスカバリー1は、当然、他に比べ圧倒的な直進性を誇っています。
このように細長比を使うと、メーカーあるいはショップの販売員の方が「ダウンリバー用」「ツーリング用」などと紹介しているカヤックの、その裏付を自分で理解することが出来ます。 (*ここで重要なのことは、細長比そのものの有効性でなく、細長比という考え方を知ることによって、艇長と艇幅の関係が不可分なものであることを理解することです。) ■■■ 2.平面計画(2);平面上のシェイプも重要 以上は艇長と艇幅の寸法上のバランスについての考察なのですが、もう一点、艇そのものの平面計画上の形(シェイプ)も重要です。 ソロA1とホリデー2のバウ(前)及びスターン(後ろ)の形状に注目すると、その大きな違いに気付きます。 ソロA1の方が先の方で急にすぼまり、そのため先端部の角度がゆるくなっています。 一方、ホリデー2は艇の中央近くから全体が緩やかに先端に向かっていくことで、先端が急角度になっています。 それぞれのカヤックが硬い物体で、(やわらかな)壁に垂直にぶつかったと想像してみてください。 どちらが壁面に突き刺さりやすいと思いますか? すぐ分かりますよね。 先端が鋭い角度のホリデー2の方です。 つまり前から来る波やうねりを想定した場合、それを切り裂くように真っ直ぐ進みやすいのがホリデー2で、波やうねりに接した瞬間、左右どちらかに曲がりやすいのがソロA1だと言うことになります。 これは水の抵抗に対する直進性の高さに直結しているので、そのままパドリングにおける直進性の高さ、回転性の高さと言い換えることも可能です。 蛇足ですが、比較的艇長が短い一人乗りカヤックの場合、細長比の値が小さくても平面形状のデザインを工夫することでカヤックの直進性を高めることもできると言うことになります。 ■■■ 3.断面計画;バウとスターンの形状に注目 実際は長さと幅の関係(細長比)だけでなく、艇の短手方向の断面形状(船底形状)、キール〈竜骨〉、サイドエッジの有無等も重要なファクターなのですが、インフレータブルカヤックの特性を考えるとその辺の影響は少ないと思います。 (グラブナー社のカヤックは船底中央が周辺よりも突出することでキールとなっています。 その他、メーカー独自の工夫もあるようです。) むしろ長手方向の断面形状の反り具合(ロッカー)に注目し、上記平面計画で考察したバウ・スターンの形状とあわせて考えて見ましょう。 ソロA1のバウ・スターンですが、平面計画上は先端近くで急にすぼまっていたのに対し、断面的には比較的緩やかにカーブを描き、さらに極端に反り上がっています。 これも波やうねりの中に浮かべた場合を想像してみてください。 バウが波に対して乗り上げるようにして越えていく様子がイメージできますよね。 波やうねりに突き刺さったり、飲み込まれたりしないように船底(キールライン)が全体的に緩い弓形のカーブを描き、さらに極端に反り上がることで、弾むようにして波を乗り越える意図が伝わってきます。 さらに反り上がったバウとスターンは流れのスプレー(水飛沫)が艇内に入るのを防ぐ役割もありそうです。 一方、ホリデー2の断面は船底が可能な限りフラットで、バウとスターンが一気に切れ上がっています。 一般的な船の形と言っても良いかもしれません。 もうお分かりですね。 波・うねりなどをバウで切り裂くようにして進んで行くデザインです。 ■■■ 4.まとめ 平面計画、断面計画を総合的に(*ここが重要です。どちらか一方でなく総合的に判断する必要があります。カヤックによっては細長比の値が小さくても平面及び断面形状によって直進性能を高めている物もあります。)考えると・・・、変化に富んだ川下りが目的ならより回転性の高いソロA1が、湖や内湾などの静水域でゆったりと漕ぎたいなら直進性の高いホリデー2が向いているとご理解いただけますね。 事実、グラブナー社の推奨するホワイトウォーター・カテゴリー(川の流れの難易度。1級から6級まであり、数字が大きくなるほど困難)はソロA1が3級、ホリデー2が2級となっています。 他のカヤックに比べ、反応が鈍いと思われているインフレータブルカヤックですが、そのデザインによって性格が全く変わります。 エンジンもモーターも付いていないシンプルな構造だからこそ「Form follows Function」(フォーム・フォローズ・ファンクション;形態は機能に従う)なのです。 ショップの販売員さんのアドバイスに頼り切るのではなく、デザインの意図を理解することで自分に必要なカヤックを自分自身で選ぶことができるのではないでしょうか。 もちろん、以上は一般的な事柄なので、最終的には個人の趣味嗜好に選択は委ねられます。 自分の使い方・遊び方をイメージした上でじっくりとカヤック選び、カヤックウォッチングを楽しみましょう! |
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